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第41回カイオム賞 採択者「新規in vitro実験系を武器にCADASIL治療に挑む」山本 由美さん

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[第41回リバネス研究費カイオム賞]採択者インタビュー 
【採択者】
山本 由美 氏(国立循環器病研究センター 再生医療部 ポストドクトラルフェロー)
【採択テーマ】
遺伝性脳小血管病CADASILの抗体医薬による新規治療法開発
【研究費情報】
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 CADASILとは脳の血管に障害が起こることにより発症する遺伝性の疾患で、指定難病の一つだ。典型的には、若年期に偏頭痛から始まり、中年期以降は脳皮質下梗塞を繰り返すことで、うつや運動障害、認知症を発症する。CADASIL発症にはNOTCH3遺伝子の変異が関与することが分かっているが、その作用機序には不明な点が多く、根治療法も見つかっていない。山本氏は、CADASIL発症に関連するNOTCH3シグナル経路の詳細を明らかにすることで、CADASILの治療に用いることのできる抗体のターゲット分子が見つかるのではないかと考えている。そのために力を発揮するのが、山本氏らのグループが確立したiPS細胞を用いた独自のinvitro実験系だ。CADASIL患者の皮膚組織からiPS細胞を樹立し、これを分化誘導させた血管壁細胞では、CADASILに特徴的な病態が安定して再現されるという。この細胞を用いることで、NOTCH3経路と疾患の関係の解明、および治療ターゲットの探索を目指す。「市民講座で熱心に話を聞いてくれるCADASIL患者を助ける治療薬をなんとか見つけたい」と語る山本氏は、イギリス留学中の修士プログラムで出会ったCADASILという壁に、今も真正面から立ち向かっている。

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